FC3S/FC3C前期型クラッチスイッチ製作

FC3S/FC3C前期型のクラッチスイッチは、すでに生産中止になっています。

そこで、修理したり交換したりする場合は、その方法を考えないといけません。

①FC3S/FC3C前期型のクラッチスイッチとは

②FC3S/FC3C後期型のクラッチスイッチとの違い

③FC3S/FC3C後期型のクラッチスイッチを流用する。

①FC3S/FC3C前期型のクラッチスイッチは、SA22Cの頃からのクラッチスイッチと
 同じものです。

車体から取り外された、FC3S/FC3C前期型クラッチスイッチ。

 通常、ロッドが伸びているときは内部のばね接点が短絡リングに接触し、
 導通していますが、ロッドが押されるとばね接点と短絡リングが離れ、
 導通が切れます。

 また、ばね接点の先がケースから端子として飛び出し、
 そこへ直接カプラ付き電線がはんだ付けされています。

クラッチスイッチ本体から端子が出ており、その端子にカプラ付き電線が配線されている。

 クラッチペダルを踏んでいない時は、ロッドが押されて接点が離れて導通が切れ、
 クラッチペダルを踏んでいる時は、ロッドが伸びで接点が入り導通となります。

②FC3S/FC3C後期型のクラッチスイッチは、その後のFDやロードスターで
 使用されているものと同一で、構造的にはFC前期型と同じものですが、
 細かい違いを言うと、ロッドの長さとボディの長さ、そして配線が半田付か、
 コネクタなのかの違いがあります。

中古と新品の違いはあるが、ロッドの長さが異なる。
ボディ長さも異なる。(左側のFC3S/FC3Cクラッチスイッチは配線加工後である。)

 細かい違いはあるものの、内部の接点構造はどちらも同じなので、
 FC3S/FC3C前期型のクラッチスイッチが手に入らない現状では、
 FC3S/FC3C後期型の流用も一つの方法としてはあります。

③今回は、FC3S/FC3C後期型のクラッチスイッチを流用する方法です。

 前期後期問わず、良くある不具合としては、クラッチスイッチのロッドが折れるとか、
 内部の短絡リングや接点が汚れて導通に抵抗を持つようになることだと思います。

 導通不良であれば、一旦カシメを起こしてばらし、
 内部の接点を掃除しグリスアップすることで復活できますが、
 ロッドが折れてしまった場合はそうはいきません。

 ロッド折れの原因としては、ロッドの先が当たるストッパーラバーが経年劣化し、
 割れてしまうことで、ロッドがクラッチペダルのストッパーラバー固定用の穴に
 入り込み、クラッチペダルが前後することで引っかかって折れてしまうことです。

 折れてしまったロッドを交換する方法として、下記の製作品があります。

 RX-7 FC3S/FC3C前期型クラッチスイッチ(H005-66-190A)のロッド互換品

 ちなみに、後期型用もあります。

 RX-7 FC3S/FC3C後期型クラッチスイッチ(LA01-66-490A)のロッド互換品

 これは、純正ロッドから採寸した置き換え用の3Dプリント品です。
 柔軟性のあるPA11やPA12といったナイロン系の素材を使用しているもので、
 純正と同等に機能します。

 特に純正にこだわらない、新品に交換したいといった場合は、
 FC3S/FC3C後期型のスイッチを流用することになります。

 FC3S/FC3C前期型と同じ構成とするには、下記のものが必要になります。

 ・FC3S/FC3C後期型のクラッチスイッチ
 ・250型オス端子と2極カプラ
 ・1.25sqの配線
 ・収縮チューブ

用意した部品類との比較。FC3S/FC3C後期型のスイッチの後部がカプラ差し込み部になっているのがわかる。

 これら以外にも、工具としてはんだごてやはんだ、圧着工具などが必要になります。

 まず、FC3S/FC3C後期型のクラッチスイッチの後ろについている
 カプラ差し込み部をカットして、はんだ付けできるようにしないといけません。

はんだ付けするには邪魔な、このカプラ差し込み部を除去しなければならない。

 手作業であれば、糸鋸などで内部の端子を傷つけないように、
 周囲をカットすると良いでしょう。

 今回は、リューターに取り付ける円盤ノコでカットして、
 その後、ミニフライス盤を使用してケースぎりぎりまで削り落としました。

カプラ差し込み部をカット後、フライスで平らに加工したもの。

 最後の仕上げが手作業だと大変かもしれません。

流石に、手作業だとここまでギリギリに、奇麗にカットするのは難しいだろう。

 カットし終えたら、今度は配線を用意します。

 約60㎜程度にカットした1.25sqの配線の端を5㎜ほど被覆をカットし、
 圧着工具で250型オス端子を圧着します。

 圧着工具は、それなりに良いものを用意した方が良いと思います。

 少なくとも、被覆側と配線側を同時圧着でき、画像のようにきれいにクリンプできるものが
 良いですね。

 圧着後に簡単に抜けたりしないかも、軽く引っ張って確認すると良いでしょう。

今回は3セット作るので計6本用意しているが、基本的には2本で良い。

 その後、反対側も5㎜ほど被覆をカットした後、予備はんだをします。

 予備はんだ後に、忘れずに収縮チューブを通しておきます。

予備はんだ後、収縮チューブを通しておくことを忘れないように。

 そして、クラッチスイッチの端子にも予備はんだをしましょう。

 予備はんだをする理由としては、はんだ付けの際に素早くはんだのまわりこみを
 良くすることと、片手で配線、もう一方の手ではんだごてをもって作業すること
 になるため、はんだ付け中にはんだを追加できないからです。

クラッチスイッチ側の端子にも予備はんだをしておこう。

 準備ができたら、端子に配線を載せ、裏側からはんだを温めます。

 はんだが溶けて、配線との間にきれいにフィレットができれば大丈夫です。

 あまり長いことはんだごてを当てると、配線の被覆が溶けたり、
 はんだが光沢を失いツノができてしまったりするので、
 はんだの表面を見ながら、光沢ができた瞬間を見逃さないように注意が必要です。

あらかじめ想定しておいた量のはんだを予備はんだしておけば、奇麗にフィレットができるはず。

 はんだができたら、収縮チューブを被せてヒートガンなどで収縮させます。

必ず、収縮チューブを被せておくこと。ヒートガンが無ければ、ドライヤーでもいい。

 最後に、250型の2極カプラに端子を挿入して固定したら完成です。

 はんだ付けの際に、250型カプラの端子の差し込み向きを考えながらはんだ付けすると、
 変に配線がねじれなくて良いと思います。

今回は配線をツイストしなかった。見栄えを気にするのであれば、ツイストしてから端子をカプラに入れると良い。

 取付については、今までのクラッチスイッチと同様の取付になります。

 交換前のクラッチスイッチの突き出し量を測定しておいてから、
 それに合わせて新しいスイッチを取り付けると良いと思います。

以上が、FC3S/FC3C前期型クラッチスイッチ製作になります。
FC3S/FC3C後期型のクラッチスイッチの相手側カプラが単品で入手できると良いのですが、
現状では見つかっていないため、FC3S/FC3C後期型のクラッチスイッチ後部にある、
カプラ差し込み部をきれいにカットするのが一番大変な加工かもしれません。

もし、FC3S/FC3C前期型でクラッチスイッチのロッドが折れてしまっている方は、
まずはロッド交換を試していただきたいと思います。

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