FC3S/FC3C後期型は、前期型と異なり、前後のスピーカーとドアにスピーカーがあり、
全部で6個のスピーカーがある。
社外オーディオを取り付けたい場合は、エーモンのオーディオハーネス等の汎用品を使うのが、
一般的であろう。
このようなハーネスを使う場合、社外のオーディオユニットに合わせて、
スピーカー配線は前後のスピーカーのみの配線となる。
そのため、そのまま交換しただけではドアスピーカーが鳴らなくなる。
ドアスピーカーをオミットするか、車体側のハーネスを加工するのが一般的ではないだろうか?
もう既に加工されてしまっている車両も多いと思われるので、今さら需要があるか?と言われれば、
価値は無いかもしれない。
しかし、無加工でドアスピーカーをオミットしているだけという方もおられるであろう。
そこで、6スピーカー用のハーネスを作ることにした。
ベースとなるのは、エーモンのオーディオハーネスである。

まず、FC3S/FC3C後期型合わせて4種類の設定があることが配線図からわかる。
①クーペのラジオ搭載車

②クーペのカセットデッキ一体型ラジオ(イコライザ付)

③クーペのCDプレーヤー+カセットデッキ一体型ラジオ(AEシステム)

④カブリオレのCDプレーヤー+カセットデッキ一体型ラジオ(AEシステム)

これらは、すべて社外オーディオを繋ぐ際に使う車体側ハーネス(コネクタ)は同じ構成になる。
これ以外の機器に繋がるコネクタは構成によって異なるので、接続先には注意したい。
汎用のオーディオハーネスを繋ぐのは、K-01とK-02のコネクタである。
12極のコネクタK-01は、主に電源関係とアンテナコントロール、イルミなどの機能類と
フロントのスピーカーに繋がっている。

一方、8極のコネクタK-02はリアスピーカーの配線関係だ。

選択肢としては、あまり意味をなさないが、フロントスピーカーとドアスピーカーの計4つという
選択もできなくはない。
ただ、基本的にはフロントとリアだろう。
それでは、ドアスピーカーを鳴らすにはどうしたらよいか?
配線図のラジオユニットやアンプなどの構成類は汎用オーディオハーネスを付けることで、
取り払ってしまっているので、必要となるドアスピーカーアンプに電源を供給しないといけない。
各配線図を見ていただくとわかるかと思うが、ドアスピーカーアンプには、
フロントスピーカーから分岐した音信号と、それ以外に3本の配線が入っている。
茶赤、青黒、青白の3本である。
このうち、わかりやすいのは青白だろう。
単に電源線だ。
そうなると、対照的な青黒はアースだと想像される。
問題は、茶赤であるが、ラジオなどのメインユニットから、各配線図にてそれぞれの機器に
分配されていることから、おそらくは何かの信号だということはわかる。
④のカブリオレのみヘッドレストスピーカーへ配線が伸びているが、
構成自体は変わっていない。
果たして、何のための配線なのか?
そこで、ドアスピーカーアンプを入手して分解してみる。

色々と部品は載っているが、追いかける配線は2つ。
茶赤と青黒である。
コネクタ側から見ると、左上の青黒、右下の右から2番目の茶赤だ。

この先がどこに繋がっているか?
この基板は1層基板なので、裏面にしかパターンは無い。
コネクタの後ろ側を見ると、基板シルクでどのピンが何を表すのか書いてある。

先ほどのコネクタ前側からの図と合わせると、茶赤はコントロール配線だということがわかる。
では、青黒はどうか?
基板にはシルクが無いので、裏側を見てみると下図のような配置になっている。

どうやら、配線で青黒出来ていても、基板のパターンとしてはつながっていないようだ。
じゃあ、どこに繋がっているか?
先に、茶赤がどこに繋がるか確認してみよう。

茶赤は、基板シルクでcontとあるだけに、上図の青丸のリレーのピンに入り、
青線の部分にあるコイルを通ってリレーをONすることになる。
ということは、通電でONしないといけないので、必然的にコイルの反対側がアースになる。

基板の表側は、上図のように、NECのパワーリレーが載っており、コントロールのピンに
12Vが掛かるとリレーがONして電源が入るようだ。
では、リレーのコイルの反対側のアースはコネクタではなく、どこに繋がっているのか?
その答えは、リレーのアースの行った先にある。

先ほどのリレーのコイルの反対側のアースのパターンを追っていくと、
その先には、大きなランドの部品がはんだ付けしてあった。
それは、おそらくアンプのICであろうものをケースに押さえるための板のはんだ付けで、
アルミのケースにICを放熱のために押さえつける構造になっている。
その板がケースに黄色い丸で囲うねじ穴からケースを通して、
更にケースの外にアース線が取り付けられてアースされているようだ。


コネクタにはメインユニットからアースは配線されていないが、
メインユニットもドアスピーカーアンプも車体を通してアースされることになる。
ということは、ドアスピーカーを鳴らすには、この茶赤のコントロール線を入れてやればいい。
コネクタK-01に合わせて下図の位置にコンタクトと配線を追加することになる。

もともとのエーモンの配線がAVSの0.5sqなので、手に入りやすいAVSの0.75sqで良いだろう。

配線に専用コンタクトを圧着し、コネクタに挿入する。

エーモンのコネクタは、リテーナーをいったん開放し、コンタクトを入れた後リテーナーを戻す。




この配線は、オーディオを使うときのみ通電すればよい。
そのため、配線はコントロールの配線があればそれと接続し、
無いようであれば、アンテナコントロールと接続するのが良いだろう。
アンテナコントロールだけの場合でも、エーモンのハーネスであれば既に分岐が作ってあるので、
それと接続しても良いだろう。

画像では、配線端処理はしていないが、他の配線と区別がつくように、カラーの収縮チューブなどを
入れると良いだろう。
希望者がいれば、オークションにそのうち出品するかもしれない。
